エスカレートする「ベトナム東海」における中国によるベトナムの主権、領有権侵害行為

I.経緯概要

2014年5月1日、ベトナム当局が「HD981」石油掘削設備及び中国の石油サービス船3隻がチ・トン島の  (ホアン・サ諸島の一つ、英語名パラセル諸島)北西から南に向かって移動しているところを発見。2014年5月2日16:00、「HD981」は27隻の警備船とチ・トン島の南側に停泊し、その後数日の間、中国はこの海域に警備船の派遣を続けた。2014年5月3日、中国の海事局はホームページで航海警告14033号を掲載、2014年5月2日~8月15日までの間「HD981」は掘削作業を行うため北緯15°29’58”東経111°12’06”を中心とする半径1海里内の海域ですべての船舶侵入を禁止とする趣旨を周知した。それに続き2014年5月5日、中国の海事局は航海警告14034号の掲載、北緯15°29’58”東経111°12’06”を中心とする侵入禁止海域を半径1海里から半径3海里へと引き上げるとともに2014年5月3日航行警告14033号を廃止した。中国海事局が提示した座標値に該当する海域はベトナムのリ・ソン島(クアン・ガイ省)から約120海里にあるベトナムの排他的経済水域と大陸棚内に位置している。

上記の掘削活動は、「牛の舌」の正式発表(2009年5月)、「ビン・ミン02号」「Viking2号」のケーブルを切断 (2011年5月、6月)、「三沙市」の建設(2012年6月)、毎年の一方的な漁業禁止命令発令、「河南省・中華人民共和国漁業法実施細則」を発行(2014年1月1日発効)など、近年中国が「ベトナム東海」で行ってきた一連の侵害エスカレート行為の一環である。中国は、自国の軍事力を示し、そして、領有権問題関係国をけん制する目的で「ベトナム東海」における多数回行われた巡視活動、軍事演習、石油調査活動、考古活動、観光促進、占有エリアの拡張、ベトナム漁船を追い払う等の行為を平然かつ強引に行い、世界世論及び国際法を無視する傾向が強まってきた。同時に、中国は「ベトナム東海」において防空識別圏を策定する権利を「完全に有する」とも宣言した。

つまり、「ベトナム東海」における中国の近年の行為、特に、「HD981」をベトナムの排他的経済水域と大陸棚に設置した行為は、念入りに計画され、故意的なものであり、「ベトナム東海」を占拠する陰謀の実現、「牛の舌」領有権の現実化を目的したものである。中国は「ベトナム東海」での“主権”を主張する行為の数を増やすために、国際法の無視、世界世論の挑発、手口を選ばない凶暴な姿勢取れることは明らかである。「ベトナム東海」における超雄健問題の情勢緊迫、争いへのリスクを高め、コントロール不能な状態を引き起こし、「ベトナム東海」における安全保障、安全、平和、安定、協力を脅かすこととなる。

II.ホアン・サ諸島(英語名:パラセル)、チョン・サ諸島(英語名:スプラトリー)におけるベトナムの領有権を証明する歴史的・法的根拠

ベトナムはホアン・サ諸島、チョン・サ諸島に関する領有権を証明するための証拠を充分所持している。ベトナムのホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の取得方法は実効的先占原則に沿ったものである。ベトナムは、歴史上初めてホアン・サ諸島、チョン・サ諸島は無主地であった遠い過去、少なくとも17世紀からここを占有し、主権を実施した国である。占有と主権の実施は、実質的であり、連続に行われた平和的かつ明確なものでる。ベトナムは合法的な主権の肯定や主権を守るための実効的先占原則が求める要件を満たす十分な法的根拠、歴史的証拠を持っている。

具体的に、

1.3世紀に渡る(17世紀~19世紀)ベトナムの各代封建国家はホアン・サ諸島、チョン・サ諸島での占有と主権の実施を使命として行っていた。

(1) グエン朝時代「大越国」:「チョン・サ隊」を設け、ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の管理、警備、開拓を行った。「チョン・サ隊」は後に、「北海隊」を傘下に持つこととなり、グエン・フック・ラン君主からグエン・フック・タン君主まで7代の君主の命令をタイ・ソン蜂起勃発まで実施した。

(2) タイ・ソン時代の「大越国」:1771年から1801年まで戦が陸上や東海で絶え間なく続いたが、グエン君主、チン君主、タイ・ソン軍はホアン・サ諸島、チョン・サ諸島を含む各管理区域の領有権を実行した。

(3) グエン朝の各代が引き続き「チョン・サ隊」「北海隊」にホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の警備、開拓を命じた。タイ・ソン軍を勝利したグエン・アイン君主は国を統一し、朝廷内の取りまとめが多忙であったにも関わらず、ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の警備、管理、開拓を実施した。

2.ベトナムの国家の国際代表としてのフランス共和国は、ベトナムが持つホアン・サ諸島、チョン・サ諸島への主権を引き続き実施した。

1884年に締結されたパトノートル(Patenotre)条約に則り、フランス植民地政

権は、ベトナム国家の代表として、ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の管理、警備を続

け、ベトナムの領有権を肯定していた。

3.1945年から1975年の主権実施について:

1946年末から1947年の歴史背景はこのようになっていた。ベトナムは1945年9月2日に独立宣言し、1884年に締結されたパトノートル条約の拘束力が無くなっていた。しかし、1946年3月6日に締結した仏越予備協定を締結したことによって、フランスは、ベトナム民衆共和国がフランス連合に属すること主張し、ベトナムの代表権はフランスが実施し、ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島での主権侵害から守ることはフランスの任務としていた。

1949年3月8日締結された協定に沿って、フランスは、元君主バオ・ダイをトップとした新仏政権を作った。が、事実上ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島を含め「ベトナム東海」でのコントロールはフランスの統制下に置かれていた。

1954年7月20日に締結されたジュネーブ協定でベトナムは独立であり、主権と完全な領有権を有する統一国家として認められた。協定の第1条では、北緯17度線にあるベン・ハイ川が北ベトナムと南ベトナムの境界線として定められた。この境界線の延長線が海上の境界線となる(第4条)。ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島は北緯17度線より南に位置するため、南ベトナム政権の管理下に置かれることとなった。

4.1975年以降に行われたホアン・サ諸島、チョン・サ諸島での主権実施について1975年4月5日、ベトナム人民海軍司令部は、共産党政治局及びベトナム人民軍総司令部の指示を受け、ホアン・サ諸島、チョン・サ諸島の受け渡しを計画した。

1975年4月13日から28日まで、ベトナム人民軍が順次ベトナム共和国軍が駐留していた島々を受け継ぎ、軍隊を展開。チョン・サ諸島にあるその他のいくつかの島にも軍を展開した。

1982年12月28日、ベトナム社会主義共和国政府はし、ドン・ナイ省(Dong Nai)にチョン・サ県を建設に関する政令193-HDBT号を発行、また、1982年12月11日に政令194-HDBT号を発行し、クアン・ナム・ダ・ナン省(Quang Nam-Da Nang)にホアン・サ県(Hoang Sa、ホアン・サのベトナム語名)を建設することとした。

1982年2月28日、ベトナム社会主義共和国国会第7会期でホアン・サ県はフ・カイン省(Phu Khanh)と合併することが決議された。

2007年4月11日、ベトナム社会主義共和国政府は政令65/ND/CP号を発行し、チョン・サ県に下級行政区分を作ることを決めた。

-チョン・サ町:チョン・サ大島と周辺

-西ソン・トゥ郡(Song Tu Tay):ソン・トゥ島と周辺

-シン・トン郡(Sinh Ton):シン・トン島と周辺

1989年7月1日、フ・カイン省は2つのフ・イエン省(Phu Yen)とカイン・ホア省(Khanh Hoa)に分割され、チョン・サ県はカイン・ホア省に属する県となった。

1994年6月23日、ベトナム社会主義共和国国会は1982年に採択された海洋法に関する国際連合条約を批准すると議決。

1997年1月1日、ダ・ナン市はクアン・ナム・ダ・ナン省から分割し、中央直轄都市へ。ホアン・サ県はダ・ナン市に属することとなった。

2009年4月25日、ダ・ナン市はホアン・サ県の人民委員長としてダン・コン・グ氏を任命。

上記以外、現在ベトナムはチョン・サ諸島では21か所を管理、駐在、カイン・ホア省チョン・サ県の経済、社会、安全保障、国防関連施設の強化を図っている。

III.先般の中国が行った行為に関する中国に対する批判

「ベトナム東海」で起きた中国のエスカレート行為に対し、激しく批判する国や反対する声を上げる国が多くいる。

-アメリカ:ジェン・サキアメリカ国務省報道官、フィリップ・ゴールドバーグ在フィリピンアメリカ大使、ダニエル・ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)などアメリカ政治界から立場、観点を示す発言があった。注目すべき点は、(i)アメリカが初めて中国の「九段線」主張への批判を“暗示”から“公に”切り替え、国際法に適切ではないと示す。中国の不透明な政策が域内の不安状態、安全が保障されない事態を引き起こす可能性への懸念を示した。(ii)アメリカは迅速に、中国の行為が「挑発的で潜在的に危険」、「中国の威嚇的、挑発的行動による海に関する主張は認められない」とした。

-フィリピン:「東海」での中国の行為に対し、強硬姿勢を明確にしめしている。(i)海南島が発表した漁船に関する新しい細則について、フィリピンの政治界は多数のチャンネルを通じて反対の声を伝え、中国側に細則に関する説明を求めた。国際法を違反する行為であり、「東海」での緊張をエスカレートさせるものだと中国を批判する。(ii)フィリピン外務省は、中国が主張する「牛の舌」は国際法の完全な違反であり、域内の平和、安定を脅かすと断定。中国の排他的経済水域は中国大陸及び海南島より200海里を超える水域に及ぶことはあり得ないと述べた。(iii)国際海洋法裁判所へ中国の提訴を引き続き行う。

-マレーシア:「東海」で中国との領有権問題関係国の中で、マレーシアは直接中国を指摘する言動を取ることを避けてきた。マレーシアから80kmにあるジェームズ礁に中国船が3回近づいた時も同様の態度をとっていた。しかし、最近の中国が行った行為がエスカレートしたことを受け、マレーシアの態度も徹底的になってきた。(i)ナジブ・ラザク首相が初めて「中国が混乱を招く信号を発したため、アジアの隣国から反感を買うこととなった。中国は「友人」の気持ちを持って東南アジア各国との海洋や諸島問題を解決しなければいけない」と意見を述べた。(ii) 習近平主席がマレーシア訪問中に行う予定の「合同開発の協力」に関する二か国間協議提案を拒否(2013/10)(iii)サルワク州ビントゥル(ジェームズサ礁から96kmの町)に新しい海軍基地を建設する。注目すべき行動は、ミヤンマで行われたアセアン外相会議(2014/1/16-17)では、「東海」問題への態度が大きく変わったことや「海南省の漁業法実施細則」に関して強く反発し、アセアン各国に中国の行為に対し適切な態度を示すように呼びかけ。中国が提案した「紛争解決を後回しにし、共同開発優先」という主張は受け入れない姿勢をみせ、アセアン中国間COC策定(南シナ海行動規範)を加速させることに関する提案したことである。

-インドネシア:インドネシア外相は「ベトナム東海」における防空識別圏の設置に関して反対の意見を述べ、「牛の舌」がインドネシア・ナトゥナ諸島排他的経済水域と重なったことについて懸念を示した。2014年1月にミヤンマで開催の外相会談の場で、「東海」問題で積極的に発言し、中国とのCOCの早期策定を提案した。

-日本:日本国防相は「海南省漁業法実施細則」について反対する意見を述べた。国際社会に、中国所有海域内同様のルールを一方的な押し付ける行為は受け入れられない。現在存在している国際秩序を脅かす行為であると述べた。

IV.ベトナムの立場、観点及び好意的な態度

1.排他的経済水域と大陸棚に石油掘削施設が侵入した件について。上記の事態が発覚してからベトナムは強く自制している。ベトナムの立場や観点はベトナム外務省報道官の発言、ベトナム石油グループからの反対書面(5月4日)で明確に述べられている。具体的には、-中国海事局が公表した「HD981」石油装置の設置座標値はベトナム海岸から120海里の場所で、完全にベトナムの排他的経済水域と大陸棚に属している。

-ベトナムはホアン・サ諸島、チョン・サ諸島での領有権を証明するための歴史的、法的根拠を充分に持っている。1982年海洋法に関する国際連合公約に定められた排他的経済水域と大陸棚の主権そして裁判権を有している。

-ベトナムの許可を受けず、ベトナムの海域において行われた外国のいかなる行為も不法であり、価値を持たない行為である。ベトナムは断固反対する。

-ベトナムは中国の上述の行為について極力反対、中国の国有石油会社に対し現在行っている不法行為をすべて中止し、ベトナムの海域から「HD981」を撤廃させることを求める。

-中国の行為は、両国の石油総公社が交わした協力精神を覆すものであり、国際石油掘削の慣習に違反し、ベトナム中国間の協力方針に反するものである。

2.「ベトナム東海」に関するベトナムの観点:ベトナムの一貫とした観点は、「ベトナム東海」における領有権問題に関して根本的かつ長期的な解決法を探ることである。その実現に向けて、関係各国は、-自制を実施、域内の平和と安定を維持するためにとも努力する。武力の行使または、武力行使の威嚇をせず、国連憲章、そして、平和五原則、1982年海洋法国連公約を含む国際法の基準を厳守する。南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)、南シナ海問題につきASEANの6点原則、南シナ海行動規範(COC)の早期策定。

-国際法律に則り、争いを平和的措置で解決を図るために根気が必要。航海の自由を尊重し、海洋法に関する国連公約に適した「東海」を航海する船舶の安全保障、航海安全の実現に努力する。海上保安、科学研究、環境保全、レスキュー、救護、犯罪防止において協力を促進し、信頼醸成に貢献する。

http://phx11.stablehost.com/~hoangsao/f/threads/エスカレートする「ベトナム東海」における中国によるベトナムの主権、領有権侵害行為.85/#post-677

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